末期はソフト5本付き5000円で投げ売りされていた早熟のハード『バーチャルボーイ』




輝かしい歴史を持つ任天堂ですが、時にはその光に隠れた影に当たるハードが発売されました。それが『バーチャルボーイ』です。今でこそVRというと最先端のイメージですが、VR元年といわれた2016年より11年も前に発売されたことであまりにも早熟だったのかもしれません。

『スーパーファミコン』の末期と、翌年に発売される『NINTENDO64』の間の1995年7月21日に登場した本機は、当時としてはかなり珍しいゴーグルを覗いて立体的な映像でゲームを楽しめるというコンセプトの商品でした。考案したのは、『ゲーム&ウォッチや』『ゲームボーイ』の生みの親である横井軍平氏。

しかし、販売は振るわず、日本ではわずか15万台、全世界でも77万台の販売にとどまっています。現在でこそ、そのレアなスタイルに注目が集まり、中古市場でも数万円で取引されていますが、実際に売られていた当時は、ほぼ投げ売りに近い状態でした。

筆者はトイザらスで、本体に5本のソフト付き(+ACアダプタータップ)で5000円で購入しています。また同じ頃、新宿のラオックスで新品のバーチャルボーイのゲームが、1本10円~30円で投げ売りされており、そちらも購入しています。


▲トイザらスで投げ売りされていた『バーチャルボーイ』。ソフトの箱やマニュアルが折りたたまれ、無理矢理箱に詰め込まれています。

▲こちらはラオックスで1本10円~30円で売られていたゲームソフト。

ハドソンの画像キャプチャに任天堂も驚いた?

2017年に行われたとあるスマートフォン向けゲームの発表会に、当時ハドソンの社員だった高橋名人が登壇しました。その中で、『バーチャルボーイ』に関する面白い話が聞けたので、ご紹介しておきます。ただし、そのときのテープは誤って消してしまったため、いくつかニュアンスが異なる部分がある可能性もありますので、ご了承ください。

なんでもハドソンでは、この『バーチャルボーイ』のゲームを作っていたところ、そのゲーム画面をどのように抽出するか悩んでいたそうです。ゲームは開発して発売するだけではなく、ゲーム雑誌などのメディアに紹介してもらったり、あるいはマニュアル等でもゲーム画面自体が必要になることがあります。

そこで考えたのは、「映像が目で見えているということは、VRAMにそのデータがあるはずなので、そこから引っぱってくればいいんじゃないか」ということでした。その狙いはズバリ的中し、うまく画像をキャプチャできたところ、その画像を見た任天堂の人が驚いて、「どうやって画像を撮影したんですか?」と聞いてきたのだとか。

このイベントの取材でこの話を聞いた筆者は、なかなかな面白い話だったのですが、当のイベントのゲームとはまったく関係なかったため、その部分を記事化することはありませんでした。

サイバーなハードだったので将来性を見込んで購入

当時誰にも見向きもされず投げ売られていたこの『バーチャルボーイ』ですが、筆者が購入を決意したのは、『光速船(Vectrex)』のようなサイバーなイメージのハードなので、将来必ず注目を集めるだろうと思ったからです。まぁ、そこまでの価値はまだ高まっていないようですが(笑)。レトロゲームファンなら、こうした変わり種も集めておいてもいいかもしれませんね!

text.レトロゲームライター 高島おしゃむ




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