HMDから、ちょっと変わったNokiaブランドのフィーチャーフォン「Nokia 300 Charge」が登場しました。
●HMD公式 Nokia 300 Charge 製品ページ
https://www.hmd.com/en_int/nokia-300-charge
●HMD公式 Nokia 300 Charge 仕様表
https://www.hmd.com/en_int/nokia-300-charge/specs
一見すると物理キーを備えた昔ながらの携帯電話ですが、その最大の特徴は名前に付けられた「Charge」の部分です。なんとこの携帯電話、内蔵バッテリーの電力をほかのスマートフォンなどに分け与える、モバイルバッテリーとしての機能を備えています。
しかも最大40日という長い待受時間や強力なLEDライトまで搭載しており、非常時のためにカバンへ放り込んでおきたくなるような1台です。
ところが日本から見ると、ひとつ大きな問題があります。これだけ「非常用携帯電話」に向いていそうな製品なのに、日本では肝心の携帯電話としてほぼ使えないのです。
側面の「Out」ボタンを押すとモバイルバッテリーに変身
「Nokia 300 Charge」には、3700mAhの着脱式バッテリーが搭載されています。
現在のスマートフォンや専用モバイルバッテリーと比べれば驚くような容量ではありませんが、消費電力の少ないフィーチャーフォンとしてはかなり大容量です。HMDによると、最大40日間の待受時間と最大37.9時間の通話時間を実現しています。
さらに面白いのが、本体側面に用意された電力出力用の「Out」ボタンです。これを押すことで10Wのリバース充電が有効になり、本体のUSB Type-C端子から別の機器へ電力を供給できます。
HMDはスマートフォンだけではなく、イヤホンなどのオーディオ機器やUSBライト、USBファンといった機器への給電も想定しています。Micro USB、USB Type-C、USB Type-Aに対応するアダプターを備えた4-in-1ケーブルも付属します。
つまり「携帯電話のバッテリーが余ったらスマホに分ける」という、一般的なスマートフォンとは役割を逆転させたような製品なのです。
懐中電灯としてもかなり本気
非常時向けの機能はバッテリーだけではありません。
本体上部には高出力LEDライトが搭載されており、HMDによれば「Nokia 105(2023)」のライトと比較して最大4倍の明るさを実現しているとのこと。停電時や夜間など、本物の懐中電灯が手元にない状況ではかなり役立ちそうです。
外装も角張ったデザインと滑りにくそうなテクスチャーを採用しており、HMD自身も「rugged(頑丈)」という表現を使っています。
ただし注意したいのは、公式仕様にはIP規格による防水・防塵性能や、具体的な落下耐性などは記載されていないことです。見た目はいかにもアウトドア向けですが、本格的なタフネスフォンと同じように扱えるとは限りません。
中身は驚くほどシンプルなフィーチャーフォン
基本性能は、現代のスマートフォンとはまったく異なります。
ディスプレイは2.4インチのQVGA、プロセッサーにはUnisoc SC6531Eを採用。RAMと内蔵ストレージはそれぞれ4MBで、OSにはS30+が使われています。
背面にはQVGAカメラを備え、最大32GBのmicroSDカードにも対応。最近ではスマートフォンから消えつつある3.5mmヘッドホン端子も搭載されています。
本体サイズは136.55×55×14.94mmで、重量は138g。3700mAhのバッテリーを搭載していることもあり、一般的なフィーチャーフォンとしてはやや厚みのある作りになっています。
最大の問題、日本では「携帯電話」にならない
スペックだけを見ると、災害用の予備端末として日本でも売れそうな製品です。
ところが「Nokia 300 Charge」が対応している携帯電話ネットワークは、GSM 900MHz/1800MHzの2Gのみです。LTEや3Gには対応していません。
日本の携帯電話事業者はこのGSM方式による2Gサービスを提供していないため、日本へ持ち込んでも通常のSIMカードを挿して通話や通信を行うことはできません。
さらにHMDから日本向けモデルの発売は発表されておらず、日本向けの技術基準適合証明(技適)の取得についても公式情報からは確認できません。
そのため、日本で購入するとすれば「海外向け携帯電話を輸入して使う」というよりも、3700mAhバッテリーとLEDライトを搭載した変わったガジェットとして考える方が現実的でしょう。
普通のモバイルバッテリーを買った方がいい? それでも面白い理由
もちろん、単純にスマートフォンを充電したいだけなら、Nokia 300 Chargeを選ぶ理由はほとんどありません。
3700mAhという容量は専用モバイルバッテリーとしては小さく、出力も最大10Wです。現在販売されている大容量・急速充電対応のモバイルバッテリーには到底かないません。
それでも本機が面白いのは、「携帯電話」「モバイルバッテリー」「懐中電灯」という非常時に必要になりそうな3つの道具を、ひとつにまとめたことです。
2G GSMが現在も利用できる地域なら、普段は電源を切って予備の携帯電話として保管し、必要になったら通話端末にもモバイルバッテリーにもライトにもなるという使い方ができます。
日本ではそのうち最も重要な「携帯電話」の部分が機能しないという、なんとも惜しい製品になってしまいます。
フィリピンでは2,190フィリピンペソ前後で販売されており、約5,600円程度の価格帯です。販売店によっては1,990ペソで掲載されている例もあります。またマレーシアでも「Nokia 300 Power Bank」の名称で販売されていることが確認されています。
HMDのグローバルサイトにも製品ページが公開されていますが、現時点では日本での発売や公式直送についての発表はありません。
日本で電話として使えないのは残念ですが、「スマートフォンを充電してくれる携帯電話」という逆転した発想だけでも、Nokiaらしいちょっと変わったガジェットといえそうです。
via.The Verge



















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