普通の自転車を電動化するコンバージョンキットは珍しくありませんが、そこに巨大なLEDディスプレイまで組み込んでしまった製品が登場しました。
●WunderWheel — Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/wunderwheelebike/wunderwheel-turn-any-bike-into-a-smart-ebike
「WunderWheel」は、自転車の前輪を丸ごと交換することで、電動アシスト機能とプログラム可能なLEDディスプレイを同時に追加できるスマートホイールです。現在Kickstarterでクラウドファンディングを実施しています。
前輪を交換するだけで自転車を電動化
WunderWheelがユニークなのは、その取り付け方法です。
基本的には既存の自転車から前輪を取り外し、代わりにWunderWheelを装着。バッテリー用ブラケットなどを取り付けて接続することで、普通の自転車に電動アシスト機能を追加できます。
対応するのは主に26インチの自転車で、ホイール内部には250Wのブラシレスハブモーターを搭載しています。

電源には着脱可能な5.2Ahバッテリーを採用。公式サイトでは1回の充電で30km以上の走行が可能とされています。ただし、実際の航続距離はアシスト量や路面、体重などによって大きく変化するため、あくまでも目安と考えておいたほうがよさそうです。
専用アプリも用意されており、走行状態を確認できるほか、アシストモードなどの設定を変更することもできます。
384個のLEDで前輪そのものがディスプレイに
しかし、単に自転車を電動化するだけなら、WunderWheelはそれほど変わった製品ではありません。
最大の特徴は、前輪そのものを巨大なディスプレイとして利用できるところです。
ホイールには4本のLEDアームがあり、それぞれの両面に48個ずつ、合計384個のLEDを搭載しています。

自転車が走り出してホイールが高速回転すると、人間の目に光の軌跡が残る「残像効果(POV:Persistence of Vision)」を利用して、LEDがひとつの画像として見える仕組みです。
専用アプリから画像や文字をアップロードすることもでき、模様だけではなくロゴやメッセージ、GIFのような簡単なアニメーションも表示できます。
いわば自転車の前輪が、そのまま「走る電光掲示板」になるわけです。

電動化キットとスポークライトをひとつにしたのが面白い
既存の自転車向け電動化キットでは、ハブモーターを組み込んだホイールや外付けバッテリーを取り付けるタイプが一般的です。
一方、自転車のホイールを光らせるスポークライトも以前から存在しており、回転を利用して模様や文字を表示する製品もありました。
WunderWheelが面白いのは、本来は別々だったこのふたつを最初からひとつのホイールにまとめているところです。
「坂道を楽に走れる」という実用品としての機能と、「とにかく目立つ」というガジェット的な遊びを、同じパーツで実現しています。
メーカー自身もWunderWheelを、シンプルな電動化キットと完成車のe-bikeの中間に位置する製品と説明しています。

329ドルでKickstarterに登場。ただし日本への発送には非対応
WunderWheelは現在、Kickstarterで支援を募っています。
通常の支援枠は329ドルで、日本円では約5万2500円です。事前登録者向けには299ドルの枠も案内されており、予定されている一般販売価格は499ドルとなっています。
発送予定は2027年1月で、送料は別途必要です。
残念ながら、現在設定されている発送対象地域は米国、カナダ、英国、一部のEU地域などで、日本は含まれていません。そのため、現状では日本から普通に支援して入手することは難しそうです。
また、クラウドファンディング製品である以上、量産開始や仕様変更、発送時期の遅延といったリスクがある点にも注意が必要です。
日本では「250Wだから電動アシスト自転車」とは限らない
さらに重要なのが、日本の公道で使用する場合です。
WunderWheelは250Wモーターを採用していますが、日本ではモーター出力が250W以下だからといって、そのまま「電動アシスト自転車」として走行できるわけではありません。
日本の道路交通法令では、人力とモーターによる補助力の比率が定められているほか、速度が上がるにつれてアシスト力を減少させ、時速24km以上ではモーターによる補助が働かないことなどが求められています。
警察庁も、こうした基準に適合しない車両については、外観が自転車に見えていても一般原動機付自転車や自動車として扱われる場合があると注意を呼び掛けています。
WunderWheelの公式サイトには最高25km/hとの記載がありますが、日本の電動アシスト自転車に求められるアシスト制御へ適合しているとの説明や、日本国内での型式認定を受けているとの記載は確認できません。
そのため、仮に将来日本へ輸入できるようになったとしても、取り付けた自転車をそのまま日本の公道で「普通の自転車」として走らせられるとは考えないほうがいいでしょう。
電動化キットなのか、イルミネーションなのか、それとも車輪型ディスプレイなのか。
そのすべてをひとつに詰め込んでしまったところが、WunderWheelの最大の魅力です。実用性以上に、「自転車の前輪をここまでガジェット化できるのか」と感じさせてくれる製品ではないでしょうか。




















コメントを残す