結局 ドラえもん って 何しに 来た んだ?
僕が初めてめてドラえもんと出会ったのは、小学校2~3年生ぐらいのころだった。当時、母親が入院しており、父の車でお見舞いに行った帰りに寄った本屋でてんとう虫コミックスの単行本を見かけたのが最初だ。
その当時、ドラえもんの単行本はまだ6巻ぐらいまでしか出ていなかったと思う。記憶は曖昧だが、最初はたしか3巻か4巻あたりのものを1冊購入してもらい、母のお見舞いに行くたびにその数は増えていった。
それからはすっかりドラえもん博士である。将来なりたい夢は漫画家。藤子不二雄をぱくったような絵の練習ばかりしていた記憶がある。もちろん、ドラえもんの単行本はリアルタイムで購入しており、たぶん27巻ぐらいまでは確実に買っていた。
そのほか、コロコロコミックに、やたらとシールがたくさん貼られた表紙のドラえもんカレンダーなど、ドラえもんに関するものなら、ありとあらゆるものを買いそろえていた。
だが、それも小学生の間までだった。中学生になってからは別のことに興味を持ち始め、すっかりドラえもんからは遠のいてしまったのである。
てんとう虫コミックスのドラえもん45巻がいつ発売されたのかも、全く知らない。
それから月日が流れうん十年……ふと頭をよぎったのは、「結局ドラえもんって何しに来たんだ?」という疑問だ。
基本的には漫画であり、ある程度の矛盾などが内包していることは十分承知している。たとえば、わざわざタケコプターで遠くまで行かずにどこでもドア使えよ! といった揚げ足取りがしたいわけではない。
それでもどうしても気になる、“そもそもドラえもんが何しに来たのかさっぱりわからない”という疑問。
そんな、個人的な気になる部分を書いていきたいと思う。
『 ドラえもん 』にたいしてのモヤモヤ感は第1話に集約されている
そもそも、ドラえもんの目的はなんなんだろうか? のび太をしずかちゃんと結婚させるため? ……いやいや。そんなことが目的じゃないはずだ。でも、なぜかそれだけを目的としているような感が漂っているけど。
そう、この違和感を生んでいるのはてんとう虫コミックスの第1巻第1話「未来の国からはるばると」の内容に起因する。
ご存じない方のために補足しておくと、てんとう虫コミックスに収録されているのは、823話のみで500話近くが未収録である。1969年に『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』でそれぞれ連載が開始されており、第1話もいくつか存在する(それらを含む全話は〈藤子・F・不二雄大全集〉に収録)。いわば『よりぬきサザエさん』的な編集本となっているのだ。
残念ながらてんとう虫コミックス以外の話は見ていないため、厳密にはどうかはわからないが、ここではてんとう虫コミックスのみを読んだときの感想だということをお断りしておきたい。
この「未来の国からはるばると」の中で、ドラえもんを送り込んだひ孫のセワシが語っている目的は以下の通りだ。
「のび太が残した借金が多すぎて100年たっても返しきれない」
え? その目的は果たしてるのか? 借金が多いなら、子供時代にドラえもんを送り込むなんて手間も時間もコストも掛かるようなことをしなくても、死ぬ間際におじいさんに会って(のび太の子供)相続をしないようにすればいいんじゃないの!?
など。
のび太が「僕の運命が変わったら、きみは生まれてこないことになるぜ」という正論をはくと、セワシが「心配いらない。ほかでつりあいとるから」と答える。
いやいやいやいや。「僕の運命が変わったら」というのが「しずかちゃんと結婚する」ということだとして、なぜかDNAなどに関係なくセワシが生まれるとしても、その理論で言うと借金をすでに背負っちゃってるセワシの運命は変わらないんじゃ!?
そもそも、過去を変えてもすでに貧乏の枝側(パラレルワールドの。ジョン・タイター風でいうところの別の世界線)にいるセワシの運命は変わらないんじゃ!?
じゃ、いったいなんの目的でドラえもんを送り込んだんだろう。
まったく疑問はつきない。
ひみつ道具の秘密が知りたい
ドラえもんは、セワシの時代になってものび太の借金が返しきれないため送り込まれたネコ型ロボットである。
そして、その最大の特徴はドラえもん自身ではなく四次元ポケットから繰り出される未来の道具の数々だ。
この、「ひみつ道具」と呼ばれる未来の道具たち。そもそも「ひみつ」ってなんだよ! という話だけど、どう考えても借金で首が回りそうにない連中が送り込んだロボット(と道具)なのに、あまりにも贅沢で無駄にハイテクな機器を使いまくりすぎてるんじゃ……。
そりゃ、借金がなくなるどころかさらに増えるよ。
そう考えると、元々借金を無くすために送り込んだはずのドラえもんがきっかけで、のび太(とドラえもんとその他仲間たち)が豪遊。その結果、未来でも返せないぐらいに借金が膨らんだということなのだろうか。
つまり、ドラえもんは一見のび太が毎回道具を使ってバカをするといった内容に思えるが、大きな視点で見るとセワシがドジをした結果、自分が貧乏になっているというお話なのかもしれない。
それにしても、わざわざ「ひみつ道具」といってるということもあり、もしかしたら裏ルートで入手しているいけないブツなのかも。謎はますます深まるばかりだ。
セワシは負の無限連鎖を断ち切ることができるのか?
ドラえもんは、セワシの時代になってものび太の借金が返しきれないため送り込まれたネコ型ロボットである。そして、それが原因でさらに借金が増えたため、セワシの時代になっても借金が返しきれないため現代へと送り込まれたネコ型ロボットである。
まさに、負の無限ループ!
のび太がジャイ子と結婚しようが、しずかちゃんと結婚して幸せになろうが、セワシの立場から言わせてもらえば、まったく関係ないのである。セワシがドラえもんを送り込んでしまったことからすべての出来事が発生してしまっているのだから。
通常ならばここが分岐点となるのだが、この物語では「ほかでつりあいがとられてしまう」ため、どうやってもセワシがドラえもんを過去に送り込んでしまうのだ。
セワシの立場になって考えた場合、どうすればこの負の無限連鎖を断ち切ってあげることができるのだろうか。そもそもセワシはこのことに気がついていないのだろうか?
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