平成最後の日となった、2019年4月30日。30年ぶり以上に1本の映画を観ました。それが『クロスロード』です。タイトルからも想像がつくように、本作は伝説のブルース歌手ロバート・ジョンソンの代表曲から取られています。
映画の冒頭、ロバート・ジョンソンが、交差点に現れるシーンからスタート。その後スタジオでレコーディングを行い、タイトル曲の「クロスロード」を歌い上げる。こんな感じで映画は始まります。
ロバート・ジョンソンがこの世に残した楽曲はわずか29曲ですが、実は30曲録音されており、その幻の1曲探し求めて主人公の少年ユジーンが、療養所で暮らすひとりの老人の元に現れます。その老人の名は伝説のブルースマン「ブラインド・ドッグ・フルトン」ことウイリー・ブラウン。そう、この老人は、ロバートの代表曲「クロスロード」の歌詞の中に出てくる「ウイリー」本人で、ロバートが殺されたあとに名前を変えてい暮らしていたのです(※本物のウイリー・ブラウンはハーモニカの名人ではなく、ギタリストだった模様)。
ひょんなことからこの老人と少年のふたりは、共に旅をすることになります。まさにブルースを地で行くようなスタイルで。
と、ざっくりとしたストーリーはこんな感じでした。あまり映画の内容は覚えていなかったのですが、とにもかくにも印象に残っていたのは、ラストのギターバトルのシーンです。主人公のユジーンを演じるのは、映画『ベスト・キッド』でブレイクした俳優のラルフ・マッチオ。最近はNetflixの『コブラ会』にも出演し、ふたたび注目を集めています。そして、なぜか対戦相手に登場するのはブルースマンではなくバリバリのハードロックギタリストのスティーヴ・ヴァイなのです。
なんじゃこりゃ!? といった組み合わせですが、スティーヴ・ヴァイ演じるジャックは、カラテ・キッドのガキの演奏をコピーできずにギターを置き、立ち去っていきます。
ある意味映画的なお約束の終わり方という感じもしましたが……つい最近、このラストのユジーンがプレイする部分のTAB符付き動画を見つけて見たところ、驚愕の事実が判明しました。
って、お~い! 21フレットまでしかないテレキャスターで24フレットのチョーキング!? そりゃ、まねしようとするスティーブ・ヴァイも音が出せねぇわ!!
というわけで、映画そのものは久々に見たのですが、思っていたよりも映像が綺麗で今見てもまったく見劣りすることのない内容でした。ギタープレイはスティーブ・ヴァイが弾いているようですが、ギタリスト視点から見ても映像に違和感がありません。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマイケル・J・フォックスのギタープレイは当て振りだったようですが、まったく違和感がありませんでした(ラルフ・マッチオが実際にギターを弾けるかどうかは知りませんが)。まぁ、あれに近い感じですね!
本作は、Amazonのプライム・ビデオで199円でレンタルすることができます。興味がある方は、ぜひ1度鑑賞してみてください。
令和元年5月1日1時55分追記:たまたまこのタイミングで、Netflixにロバート・ジョンソンの作品が配信されているのを発見したので、そちらも後ほど鑑賞したいと思います。
5月9日追記:ローリングストーンズ誌のインタビュー記事によると、ラルフ・マッチオ氏は映画の演技のためにギターを相当練習したそうです。今でも、あのときのテレキャスターを所有しているとか。実際に演奏しているところも見てみたいですね!
ラルフ・マッチオのインタビュー記事:
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190429-00030726-rolling-movi&p=4
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